【分かりやすい】対話と会話の違い│夫婦の心をつなぐ話し合いの方法とは?【図解つき】

目次

対話とは

最近聞くようになった「対話」という言葉。
でも、こんな声をよく聞きます。

  • 会話と対話の違いってよく分からない
  • 対話ってきくとなんだか緊張する
  • 対話は目的があるとか?
  • 対話って結局なに?

この記事では、こんな疑問を持つ方に向けて対話とは何かについてお伝えします。

早速ですが、対話について一言でいうと、このように言うことができます。

対話とは、相手を「理解しようとすること」

もう少し詳し補足をすると、

対話とは

対話とは、人の感情や、心の底にある「大切にしている思い」=「願い」を理解しようとすること

と、いうこともできます。

対話は人間ならでは

対話とは、「理解しようとすること」を通して人と向き合い、言葉を通してやりとりをすることです。

何人であっても、対話が行われると参加している全員が「大切にしている思い(願い)」でつながることができます。

願いで人の心がつながると、とても不思議なことがおきます。

不思議なこととは、【妥協案】とは異なる、全員にとって納得感があり、それまでは考えもしなかった創造的な解が自ずと生まれてくるということです。

対立が起きている時も同様です。まるで対立が溶けて、その場にいる人たちが一体になるような感覚が起こるのです。

ど、どういうことですか?

そうですよね。ちょっと怪しい感じもしますよね。

でも、たとえば、あなたがこれまでに何かを「ひらめいた!」とか「分かった!」という瞬間を経験したことを思い出してみると、どうでしょうか?

それまでは、いくら考えても分からなかったことが、閃いた瞬間に、心も体もスッキリし、解決策が見えることがありますよね。

その拡張版というか、その感覚を他者と時を同じくして経験するものだと思っていただけたらと思います。

対話とは「不満を伝え合う」とか「問題解決をする」「原因を見つける」ものではなく「理解しようとすること」

それが、対話の第一歩だと心に留めてもらえたらと思います。

では、対話について、夫婦の会話を見ながら具体的な理解を深めていきましょう。

対話と会話の違いとは?

実は、大きく言えば対話も会話の種類のうちの一つです。

会話の種類は4つありますが、まずはわかりやすいように次の2つの会話をご紹介します。

週末に一緒に車で映画に行くはずだったのに、夫or妻が仕事の予定を入れてしまったときのとある夫婦の会話です。

よくある夫婦の会話ー表面的な会話ー

えー!
日曜に予定入れちゃったの?
映画に行くはずだったじゃん!!!

仕方ないじゃない、、
忘れてたんだもん。
ごめん。
だけど、クライアントの予約、今から変えられないや…。
映画はひとりで行ってきてもいいよ。

そういう問題じゃない!!!

同じ状況での別のパターンの会話です。

よくある夫婦の会話ー内面的な会話ー

えー!
日曜に予定いれちゃったの?

約束が守られなかったこととか
一緒にいる時間がなくなったことが、、悲しい

そうだよね。。
約束を守れなかったことで
がっかりさせてごめんなさい。

…想い(がっかり=残念さ)を受け取ってもらえた という感覚…

うーん、、最近一緒にいる時間が少なかったから、「つながり」を感じたかったのかも。
(自分の根にある大切な思い=願いを表現)

「つながり」が大切で、満たしたかったんだね。
(相手の思いを受け取り、伝え返している)
本当にごめんなさい。


今度からあなたとの約束は仕事のスケジュール表にも入れるね。
改めて、これからつながりを感じるために一緒にできることある?

表面的な会話(討論)と内面的な会話(対話)の違い

「表面的」な会話と「内面的」な会話、違いは分かりましたでしょうか?

「表面的な会話」では、

  • 出来事について
  • 物事の是非や善悪
  • 何かをすること

などに光が当たります。

その結果

  • 出来た/できない
  • 良い/悪い
  • 正しい/誤り

などの判断が生まれます。

私たちは「会話」や「コミュニケーション」をこのようなものだと思っていますが、このタイプの会話では心のつながりをつくることはとても難しいのです。

少なくとも、私は学ぶまでは無自覚でした。学んでからもできるようになるまでには時間がかかりましたし、今でも意識をしないとすぐに「表面的な会話」になります。それくらい、私たちには自然にしみついてしまっています。

ここまでで、対話では人の内面に焦点を当てた会話が対話の入り口だということを”なんとなく”でも掴んでいただけたでしょうか。

対話の2段階

対話は、さらにこのように分けることができます。

  • 内省的な対話
  • 生成的な対話

それぞれの対話の話し方と聴き方の違いです。

内省的な対話生成的な対話
話し方自己内省生成的
聴き方共感的境界がない

生成的な対話でうまれる感覚はAIには絶対に体験できない、人間にしか味わえないものです。

人と人の心が開かれることによって、予想もできなかった素晴らしいギフト(案)が生まれる世界をあなたにも一度は体験してほしいと思います。

そのためにも是非、これから先にお伝えすることも心に留めてもらえたらと思います。

心をつなぐ対話のための構造理解

大切なので繰り返しますが、対話は「ただその人が何を思い、何を感じているのか」を理解しようとすることから始まります。

それがなぜ大切なのでしょうか?

次に、心の構造からそれをお伝えいたします。

【納得】構造理解でよく分かる一般的な会話と対話の違い

先ほどの表面的な会話で「映画に行くはずだったじゃん!」という言葉が出るまでの間には、実はこのようなプロセスがあります。

自分の体の中のことは見えませんし、習うことがないので分かりにくいのですが、まず心の根底には、自分の「願い」があります。

その願いを起点に、怒った出来事に対しての「感情」が起こり、次に思考がはしり、そして言葉になるというプロセスをふみます。

つまり、自分が「何を考え」「どんな感情を感じているか」を自分自身が受け取り、逆にたどっていくことが「自分の大事にしているもの、大事にしたいもの」につながるのです。

表面的な会話と内面的な会話の決定的な違い

もう一度「内面的な会話(対話)」を見ていただきたいのですが、

ここには

  • いいとか悪いとか
  • 正しさとか間違い

がありません。

これがとても重要です。

判断のメガネをかけた状態
判断のメガネをかけた状態

最初の「表面的な会話」は「判断のメガネ」をかけた状態です。

私たちは、当たり前に判断のメガネ=世間の常識・善悪・正しい、間違いなどのフィルターを通して物事を見ています。

そのため、自分の本当の思いや相手の思いを受け取れていません。

判断の眼鏡をかけて自分を評価・判断をし続けると苦しくなってしまいますし、本当の相手も見えなくなってしまいます。

だから、対話に関わらず自分がどんな「当たり前」「常識」に捕らわれているのかに意識的になることはとても大切です。

対話に必要な評価・判断の保留とは

一方で、今度はその眼鏡をはずした状態です。

評価判断を保留した状態
評価判断を保留した状態

この図からも分かるように、対話をするには、「正しさ」や「いい・悪い」や「常識」を保留するということが大切になります。

ただ、先ほどの話とも重なりますが、私たちの多くは「集団のルールに合わせる」教育や、「正しさ」や「人との比較(順位)」や「常識」で動く世の中で育っています。

だから、何が自分の本当の考えや大切にしているものなのか、なにが常識や正しさなのか。はじめは区別が難しいかもしれません。

少なくとも私はしばらく区別がつかず

  • だってそういうものだよね
  • そうはいっても

などとたくさん思いました。

そういう教育を受けてきて、それが当たり前で育つと、しみついたものを実感します。

でも、誰でも少しずつ「正しさ」や「常識」のメガネを通さずに、大切な思いをまずは自分自身が受け取れるようになります。

では、ここからはより一層対話を理解し実践をしていきたい方のために、対話の世界に触れていきます。

自分も相手も幸せにする対話は自己対話から

対話の基本は自分との対話から

実は対話は、誰か他の人とだけするものではありません。

自分との対話を自己対話と呼びます。

記事の冒頭で、対話を一言でいうと「理解しようとすること」とお伝えしました。

つまり、自己対話は、自分と向き合い、「自分を理解しようとすること」と言えます。

これまでにお伝えしたように、自己対話でも

「いい」・「悪い」や
「正しい」・「正しくない」

のような、何が正解かという判断のメガネを外して自分を受け止めることが必要です。

それは自分を

「何を大事に生きたいか」

を理解することにつながっていきます。

自分との対話をして自分を理解し受け止められるようになると、何が起こるでしょうか?

自己共感は人間関係を築きやすくする

自己対話を自己共感とも呼びます。

自己共感ができると、自分らしさ、自分の個性を知り、自分を認めることができるようになります。

これは、ありのままの自分を認めることでもあり、それは「自分が生きていること」への信頼につながっていきます。

そうすると、他者に精神的に依存したり、つらい!悲しい!叫びを攻撃という形で表現しなくても良くなっていきます。

結果的に伝え方が変わり、相手を尊重できるようになり、人間関係が築きやすくなります。

それだけではなく、自己対話のスキルが磨かれるとさらに素敵なことが起こります。

それは、相手に共感(寄り添い)ができるようになるということです。

そこで今度は、相手との対話を考えていきましょう。

自己対話で得られる他者対話への共感スキル

自己対話による自己理解は、他者との対話に必要な共感(寄り添い)力の基礎となります。

「寄り添い」って、相手の感情を否定しないことだよね

もちろん相手を否定しないことは大前提です。

ここでは、その前提を踏まえて一歩先を考えていきたいと思います。

相手を否定しない先にある「共感」とは

相手を否定しないその先にあることは、あなたが心の底から相手が何を感じているのかを受け止めよう、理解しようとすることです。
その姿勢こそが、相手との心のつながりをつくったり、相手が苦しい時の本当の助けにも繋がります。

これが深い意味での「共感」です。

言い換えると

共感とは、相手の内側の世界を相手の感じるままに、共に受け止める(受け止めようとする)こと

です。

たとえば、自分が習得していない言語で相手に話をすることが難しいように、相手の内側の世界を受け取るには、まず自分自身に対して心の底から何を望んでいるのか、何を大事に生きたいのかを受取れるようになっておくことが役に立ちます。

共感=内側の世界を理解することとは?

共感とは

「相手の内側の世界を相手の感じるままに、共に受け止めようとすること」

でしたが、

「内側の世界」ってなに?

と思う方もいらっしゃると思います。

というのも、私がそうでした。

拒絶反応まではないけれど、正直、よく分からない。

学校や親から教えられることもなく、興味を持つこともなく生きてた私にはそんな印象でした。

そんな方のために簡単にお伝えすると「内側の世界」とは

  • 思考
  • 感情
  • 信念
  • 記憶や経験
  • 身体感覚

など、その瞬間に外からは見えないもののことです。

一方の外から見えることとは、行動や何かの結果です。

今、この瞬間にどういうことなのか腑に落ちなくても大丈夫です。

「自分が何を大事に生きたいか」もそうですが、自分に必要なものは目を向けていると少しずつ分かってきます。これが人生の味わい深さです。

難しいと思う方は、内側の世界とは
「ただその人が何を思い、何を感じているのか」
そういうものらしい、という風に留めてもらえたらと思います。

心をつなぐ対話のできるふたりになろう

心でつながる対話の一歩は、今この瞬間から。

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